起動方法

windows版

公式サイト(http://www.gnuplot.info/)から最新版をダウンロードし、適当な場所に解凍。解凍されたフォルダ内のbinaries内のwgnuplot.exeを起動するとfig.1のようなターミナルが立ち上がる。

fig.1 windows版gnuplotの起動画面

フォントが読めない場合は、ターミナル内で右クリック->choose font…からフォントを変更した後、再度ターミナル内で右クリックしてupdate C:\...をクリック(fig.2参照)

fig.2 フォントの変更方法

Linux版

ターミナルを起動してgnuplotとタイプすると立ち上がる。

fig.3 Linux版gnuplotの起動画面

基本的なグラフ描画方法

まずはプロットしてみる

ターミナル内でplot sin(x)やplot exp(x)と入力するとy=sin(x)、y=exp(x)の関数が描画される。

$ plot sin(x)

fig.4-1 y=sin(x)のグラフ

$ plot exp(x)

fig.4-2 y=exp(x)のグラフ

軸の範囲を設定する

軸の範囲の設定方法は2種類ある。
特定のグラフで範囲を決める場合はplotの後に[x軸の範囲][y軸の範囲]を入れる。
この場合は軸の範囲を指定したグラフでは範囲が指定されるが、次に描画したグラフでは軸の範囲が指定されない。

$ plot [0:10][-2:2] sin(x)

以降に描画するグラフの範囲を全て固定する場合は、plotの前にset xrangeまたはset yrangeで指定する。

$ set xrange [0:10]
$ set yrange [-2:2]
$ plot sin(x)

fig.4-3 軸範囲の変更

データからプロットする

関数ではなく、データをプロットする。
gnuplotで扱うことのできるデータ区切りは、スペース区切り、カンマ区切り、タブ区切りなど一般的な区切りであれば全て可能。
データをsample1.txt(1列目：時間[s]、2列目：圧力[Pa]、3列目：抗力[N]のデータ)
通常にプロットすると、1列目(時間)と2列目(圧力)をプロットすると以下のグラフが表示される
※使うデータ列が無指定の場合は1列目をx軸、2列目をy軸として表示する。

$ plot "sample.txt" with line

fig.5 圧力の時間変化

1列目をx軸、3列目をy軸にするには、using 1:3と入れる

$ plot "sample1.txt" using 1:3 with line

fig.6 抗力の時間変化

各軸のラベルを設定するには？

plotする前に軸の設定を行う。

$ set xlabel "Time [s]"
$ set ylabel "Pressure [Pa]"
$ plot "sample1.txt" using 1:2 with line

fig.7 圧力の時間変化(軸設定)

このままでは見難いため、x軸を[ms]、y軸を[kPa]に変更してみる

$ set xlabel "Time [ms]"
$ set ylabel "Pressure [kPa]"
$ plot "sample1.txt" using ($1*1000):($2/1000) with line

fig.8 圧力の時間変化(軸範囲設定)

このままでは凡例がわかりにくいため、凡例の文字を変更する
凡例の文字はtitle "凡例"で変更できる

$ plot "sample1.txt" using ($1*1000):($2/1000) with line title "Pressure"

fig.9 圧力の時間変化(凡例設定)

グラフ中の線の太さ、色を変更するには？

linewidth, linecolorで指定する。

$ plot "sample1.txt" using ($1*1000):($2/1000) with line linewidth 2.5 linecolor 1 title "Pressure"

fig.10 圧力の時間変化(線種の変更)


参考)linecolorの一覧	参考)point typeの一覧

グラフの縦横比をを変更するには？

グラフの縦横比はset sizeで指定します。
指定方法は2つあって、縦横比を指定する方法と、縦と横をそれぞれ指定する方法です。
縦横比を指定する方法では、set size ratio 1.0(数字は横軸を1とした場合の縦軸の比率)とします。
縦と横をそれぞれ指定する方法では、set size 1,0.5(出力画像に対する横軸のサイズ、縦軸のサイズ)とします。
2つ目の方法では、出力画像のサイズによって縦横比が変わってくるので、set size ratioで指定するのがおすすめです。

$ set size ratio 1
$ plot sin(x)

fig.11 縦横比1:1のグラフ

グラフ中の線の種類を変更するには？

gnuplotには標準でlintypeを設定できる。
linetypeでは通常はカラーで色の異なる表示になるが、postscriptファイルでmonochromeを指定した場合には線種の変更になる。

複数のグラフを出力する

同じグラフに複数のグラフを出力する

プロットするデータを","(カンマ)で区切って記述する

$ plot sin(x),cos(x)

プロットしたグラフの上に"replot"で上書きする

$ plot sin(x)
$ replot cos(x)

fig.12 複数のグラフ

グラフ中の様々な処理

補助線を引く

set grid xtics/yticsで設定できる

$ set grid xtics
$ set grid ytics
$ plot sin(x)

fig.13 グリッドをつけたグラフ

軸ラベルを消す

set format x/y ""で軸ラベルを消去

$ set format x ""
$ set format y ""
$ plot sin(x)

fig.14 軸ラベルを消去グラフ

予め線種などを指定しておく

set style lineでグラフの線やポイントを事前に設定しておくことができるため、統一的な描画をするのに使用する
線で描画する場合の例

$ set style line 1 lt 1 lc rgb "black"
$ set style line 2 lt 1 lc rgb "red"
$ plot sin(x) with lines linestyle 1, cos(x) with lines linestyle 2

fig.15 線種を指定して描画したグラフ

ポイントで描画する場合の例

$ set style line 1 pt 6 ps 2 lt 1 lc rgb "black"
$ set style line 2 pt 6 ps 2 lt 1 lc rgb "red"
$ plot sin(x) with lines linestyle 1, cos(x) with lines linestyle 2

fig.16 ポイントの種類・色を指定して描画グラフ

グラフを画像で出力するには？

出力を変更するにはset terminalで変更できます。
使用できるターミナルは'png'、'postscript'、'png'、emf'などいろいろあります。
ここでは著者が頻繁に使うpostscriptまたはpngのterminal設定の一例を紹介しますが、詳しくは自分で調べましょう。
postscriptのフォントArial
postscriptのフォントTimes
小技集の自作バッチファイルでemfにすることで上記のフォントになります。
terminalを希望の形式に変更した後、plotを記述する前に出力ファイル名を指定します。

上記の3つを入力すれば、y=sin(x)の曲線がoutput.epsとして出力されます。
備考) terminalオプションのenhancedはenhanced postscriptファイル=epsファイル、color(monochrome)はグラフの色指定、フォントの後の文字はフォントサイズの指定。

略語集

plot -> p
xrange -> xr
yrange -> yr
xlabel -> xl
ylabel -> yl
linewidth -> lw
linecolor -> lc
linetype -> lt
with lines-> w l
with points -> w p